高い遊泳能力や、視力、硬い外骨格や捕食器官をそなえた生物が多く発見されている。どれも獲物を追ったり天敵から身を守るために必要な能力であり、エディアカラン紀に栄えた
ような無防備な生物はこの頃には絶滅してしまった。
オパビニアやアノマロカリスのように現代では見られないユニークな形の生物が多く「カンブリアモンスター」といわれる。食物連鎖がはげしくなったことと、硬いパーツをもった生物の増加があいまって、この時代から化石の生物多様性が爆発的に増加した。「カンブリア爆発」とはこの多様性の増加を指した言葉なのだ。
アノマロカリス・カナデンシス
体長60cmにもなる当時最大級の捕食者。視力と遊泳力が優れ優秀なハンターだったと考えられている。
アンプレクトベルア
ハサミのような付属肢をもつ。推定体長90cmでカンブリア紀最大のラディオドンタ類だ。
カンブロラスター
アノマロカリスと同じラディオドンタ類。頭甲が著しく発達している。最大30cm
ライララパックス
10cm程度の小さなラディオドンタで眼軸が長い。幼生ではないかとも言われている。
スタンレイカリス
ラディオドンタ類で唯一、頭甲部の後ろにある第三の眼が発見されている。
オパビニア
5つの複眼を持つ節足動物、体長10cm程度
ネクトカリス
長らく節足動物なのか軟体動物なのかで意見が割れている。こちらは軟体動物説に合わせた復元でイカっぽく描いてある。
ミクロディクティオン
体長1-7cmほど。体の側面に部分的な鎧を身につけていた。今の節足動物が身につけている外骨格も最初はこうした不完全なものだった。
アラルコメネウス
体長6cmほどのメガケイラ類。目が四つもある。